2011年5月28日土曜日

レンブラント展 国立西洋美術館

上野の国立西洋美術館で6月12日まで開催されている、レンブラント展 ひかりの探求、闇の誘惑 を見てきた。


モノクロの版画が多いとはいえレンブラントの作品が多く展示されていて見応えがあった。




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全体的な印象は、絵が暗い事だ。暗い画面にスポットで光を与える事で遠近感や立体感を強調している。これは先週の東急文化村で観たフェルメール展でも感じた事だ。一昨年フランスのオルセー美術館で見た印象派の絵とは大違いだ。印象派の絵は点描に代表される様に、絵全体が発光している様に描いているため直射が当たらない部分も間接光が当たり陰になるが、レンブラントやフェルメールの絵は、闇にスポットで光を当てる様に描いているため、光が当たっていない部分は闇になる。この陰と闇の違いは大きい。




CGのアルゴリズムだとレイトレースとラジオシティの違いの様だ。レイトレースは、光源から出た光が物体に反射しながら何処へ到達するかを解析する方法だが、これだと直接光が当たらない場所は真っ黒にしかならない。これを改善したのがラジオシティだが、この方法は、物質の面自体が光源によってどの程度発光するかを計算する方法のため直射が当たってなくても間接光で明るさの表現が可能になっている。




全くの私見だが、レンブラントの時代が16世紀、印象派は18世紀という事を考えると、絵画の技法もCGのアルゴリズムの発展と同じ様に進化してきたかに思える。




先週の東急文化村のフェルメール展が地理学者1点で他は別人の、といっても同世代のオランダ人画家だが、とはスケールが違った。このスケールの差がありながら入場料はこちらが1400円で文化村が1500円は頷けない。国立と私企業の差か?




今回はカタログを買って帰った。2300円




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ところで、西洋美術館の建築がユネスコの世界文化遺産に登録申請されている。


設計が20世紀の三大巨匠のうちの一人 ル・コルビジュエの設計だからだろう。


この建物見るからに地震に弱いピロティ建築だが、実は現在は建物全体が免震化されている。もちろん新築当時は、耐震基準が現在のものと違って耐力も現在の設計法に比べると弱いが、建物の基礎から免震化することで地震から建物を守る改修が行われている。




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そのため建物の周りを免震ピットを隠す蓋が囲んでいる。




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