2011年11月3日木曜日

町屋の計画


町屋の計画
敷地条件・・・ある地方都市の中心近くで、東側のみに道路に接する敷地を想定した。

敷地は、間口5m、奥行16m。まさにウナギの寝床の様な敷地である。隣地側はビルに囲まれ採光は期待できない


外観は、内部の室と動線をそれぞれ壁面とスリットに置き換え外観から内部構成をイメージできるようにした。この建物の場合、動線は人のための移動空間というだけでなく、光の道・風の道でもある。

室側の壁面は、隣地側3面をビルに囲まれて唯一採光が期待できる面なので、本来なら大きく開口を開けて光を取り入れるのが普通だが、見える景色が良くないことを考慮し、2層吹き抜けの壁面にランダムな開口を設け、色ガラスを入れた。

夜間は、外光がなく人工照明だけでは色ガラスは沈み込んで目立たず人工照明が創る見慣れた空間。

朝日が壁面に当たると色ガラスを通った虹色の光で空間が満たされる大きく変化する。

エントランスホールの・・・東に向いた正面外壁のステンドグラスから色のついた光が差し込み、インテリアの床や壁に色が付くと同時に空間全体が虹色の光で満たされる。

夜・・・太陽光がなくなり、人工照明のみ、白熱球のため全体がオレンジ色に染まる。

深夜・・・地灯りは無くオブジェの椅子を照らすスポット照明とフットライトを仕込んだ上がり框だけが浮き上がる。

光の質、照明の当て方や種類によって空間が変化する。

内部はパティオを中心に計画し各部屋に自然光が入るように計画。

二階廊下

竹が植えられたパティオにはストリップ階段がありリビングダイニングと連続する。

ダイニング

中庭

パティオと一体の廊下の奥に寝室とユーティリティが配置され、パティオからの光が届かない突き当たりはユーティリティの換気を兼ねた第二のパティオとし自然光の道しるべとした。パティオの存在は彩光に非常に有効なのがよくわかる。
寝室はパティオに面した1階に設けられている。パティオに面した寝室も、照明の違いで空間が変化する。夜は色温度の低い柔らかい光をスタンドからのアッパーライトで設け、建具に障子を組み込む事で視線の制御・断熱・温かみを演出する。

朝の表情は、障子を開けることで、太陽光と天空光の青白い光で満たされ淫靡な世界から現実世界へと変化する。

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