谷崎潤一郎の随筆のタイトルだが、日本人の光に対する感覚を良く言い当てていると思う。といっても時代がだいぶ違うために若い人にはピンと来ないかもしれない。裸電球の照明など知らない人が多いのではないか?
子供のころ祖母の家によく遊びに行った。今思うと通り庭のある町家形式の家であった。陰翳礼讃の場面と重なるところがある。中庭に面した厠に夜行くとき暗い廊下を通るのにずいぶん怖い思いをした記憶がある。
あまりよく覚えていないが記憶を頼りにこの家をモデリングしてみた。
お決まりの途中段階である。なかなかこれで完成というところまでいかず今まですべて中途半端で終わっているが、少しづつ完成に近づけていこうと思う。
夜の通り庭。裸電球の色温度の低い赤い光で照らされ、よく磨かれた黒光する柱に反射している。高い天井や、隅まで光が届かず陰がある風景になっている。
この廊下の先に厠がある。奥は光が届かず、子供にとっては妖怪や魑魅魍魎が出てきそうな雰囲気である、がどことなくこの風景に親しみがわくのは私だけだろうか?
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