AGINGとは、辞書を引くと 老化 などと出てくる。近年、化粧品のテレビコマーシャルでアンチエージングなどと使われている。
オーディオの世界では、スピーカーやアンプの慣らし運転のことを指すこともあるらしい。
建築の世界では、経年変化とでも訳せばいいだろうか?
耐用年数が何十年も、場合によっては何百年にもなる建築の場合は、竣工時のままで存在することはなく、経年変化は避けて通れない。しかし、メンテナンスを行うことで、美しく変化させることはできる。
人が住まない住宅はすぐに朽ち果てて行くが、人が住むことによって朽ちるのではなく味が出てくるのもそのためだ。
前回、町家をモデルとした建物のイメージを造った。夜の風景では、光と闇だけで雰囲気を表現できるので、モデルに経年変化を表現する必要がなかった。
しかし、同じモデルの昼間の表情を作ってみると、
こんな感じになった。
モデル自体の完成度が低いこともあるがAGINGがない。建てられてから時間が表現されていないため味がないのである。
時間がたつにつれて、焼け・よごれ・シミ・歪み・傷 などがついてくるはずなのに、この絵には建てられてから時間がたった建物にある雰囲気がないのである。
このブログは、ひかりと建築をテーマに書いてきたため、時間にあまり気を使っていなかったが、建物のAGINGがその空間の質も変化させることをあらためて認識した気がする。
光と影が空間を表現するといっても、その空間の時間軸を抜きにしては語れないということだ。
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