2011年7月15日金曜日

皇帝の愛したガラス(東京都庭園美術館)

7月14日から東京都庭園美術館で開催されている表記展覧会のプレス内覧会にブロガー枠で招待され、7月13日午後行ってきた。




庭園美術館へのアプローチ歩道(左が庭園)




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エントランスの案内サイン




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庭園美術館に行ったのはこれで2度目、一度は大学の同窓会をここのホールでやったことがあるが、美術鑑賞で行ったのは始めて。


この建物は、1933年竣工で朝香宮邸としてたてられたらしい。アールデコ様式の瀟洒な建物であるが、その名の通り、庭園の立派さにも感激する。




建物外観




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この建物は改修のためしばらく休館するらしいが、その前に建物見学が10月にあるらしい。




展覧会は、ロシア、サンクトペテルブルク(旧ソ連のレニングラード)にある世界最大級の美術館のうちの一つであるエルミタージュ美術館に所蔵されているガラス細工を展示するもので、ベネチア、イギリス、ドイツ、ボヘミア、スペイン等のガラス細工やフランスのアールヌーヴォー、ロシアのロマノフ朝帝室ガラス工房で作られた作品が並んでいた。


ちょうど展覧会に着いたときにプレス用に学芸員の人がトークを行っていたが、ガラス細工を推進したのは皇帝といってもエカテリーナという女帝だそうだ。




学芸員さんによるプレスへの説明




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こうやって一同に鑑賞できると、地域や時代によって異なる趣を持っておりその差がはっきりわかって面白い。全くの個人的な感想であるが、ベネチアの繊細さ、ドイツ・ボヘミアの素朴さ、スペインの奇抜さ、ロシア初期のぎこちなさ等が特徴として表れていたように思う。




ベネツィアの水差し




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ドイツの空想の紋章を描いた大杯




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フランス ドーム兄弟作のチューリップを描いた花器




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スペインの水差し




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ロシア 帝室ガラス工房の作品群




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その一方、ロシアではあらゆる技法を模倣して自分の物にしようと試み最終的には世界最高水準のガラス細工の技術を持ったようで、その過程では、まるでガレの作品かと思う物もあった。この作品を見た瞬間に、冷戦時代の旧ソ連のMIG25がアメリカのF15に酷似していたり、フランスのコンコルドにツポレフ Tu-144が酷似していたり、最近では中国や韓国のブランド品のスーパーコピーなど、模倣の体質はアジアの昔からの体質なのかと一瞬思ってしまった。




逆に言うと、こんなことも連想させるほどこの展覧会の作品は、多彩で一見の価値はあると思う。




ロシア帝室ガラス工房の模倣から生まれた作品群 (いろんな様式が入り混じっている)




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ガレ作のヒキガエルとトンボを描いた花器




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帝室工房のアールヌーヴォー風作品




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しかし模倣といっても、特許が絡む科学の世界と芸術の世界では異なり、オマージュやリスペクトという言葉で、模倣を許す傾向もあり一概に非難することは出来ない。


模倣の前のロシアのガラス細工は、明らかに権威の象徴といった感じで、均整は取れてはいるが硬く面白みにかける感じがしたが、模倣する事で技術が上達し独自技術も開発され最終的には感動に値するする作品も生まれたように思う。また、その過程もこの展覧会で良くわかる。




帝室ガラス工房で作成された花器(下の赤いガラスはロシアでしか出せない色だそうだ)




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以下 見どころの一部




時代や地域が違う作品をアンサンブル展示しているコーナー。




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ベネツィアのガラス細工見本




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ガラス細工で造った絵画




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最後に建物に関して




この建物自体、歴史的価値が高く見どころも多いように思った。




メイン階段




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サブ階段に行くアプローチ(照明が面白い)




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上記見返り




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エントランス




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改修前の建物見学には是非行きたいと思う。




見学とカタログまで頂いた東京都庭園美術館に感謝致します。


 


2011年7月7日木曜日

梨花女子大(ソウル)

  Ewha Womans University



韓国最大の私立女子大で学生数は学部と大学院を合わせて20,000人を超えるそうだ。
日本の女子大の学生数を調べると大きい大学で6,000人くらいだからかなり規模の大きい学校。ちなみに日本の国立では東大が26,000人でトップ、私学では日本大学が6万人を超えてトップらしい。



正門横の銘盤



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キャンパス案内板



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ソウルの中心街から西へ地下鉄で2駅の梨大に位置する。



この学生ホールをドミニクペローが設計しているので観に行った。



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梨大は、地球の歩き方では、おしゃれな街でスイーツの店が多く建ち並び日本の原宿に似た街と紹介されていたが、実際に行った印象ではむしろ神田の学生街に近い印象だった。もっとも、行ったのが土曜日の朝10時過ぎでほとんどの店が閉店していたのでかな印象が違うかもしれない。前日の明洞や東大門は夜の12時過ぎまで屋台や店が開いてたから、基本的に韓国の人は夜型で朝は遅いのかもしれない。



この建物は、敷地模型から推測するに元はグランドだったところに建設されたらしい。反射で見難いが、下のキャンパスの敷地模型で正面のグランド部分が建設地。それにしても大きなキャンパスだ。



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この大学の敷地自体が丘陵地に位置しており高低差がかなりあるからそれをうまく利用して計画されている。



敷地正門から見たキャンパスの写真。



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この写真では地下に埋め込まれて緑しか見えない。建物の案内サインB1が最上階になっている。



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もし、この建物を普通に建てたら、このキャンパスで一番目立った建物になったであろうことは容易に想像できる。奥に見える建物は、日本ともなじみが深いヴォーリス設計の建物。キャンパス全体は丘陵地に点在しており、自然の中のキャンパスといった感じ。



国際コンペで設計者が決められたが、規模は延べ面積が70,000㎡もあるのだから、プロポーザルの段階でキャンパス正面玄関に立って建設地を見たら、普通に地上に建てたら一番目立つことは明らかなので、建築家は建物を主張させる誘惑に駆られるに違いない。



ペローは、フランス国立図書館でも大部分を地下に埋める手法をとっており、建物を単独で考えるというより都市あるいは敷地との関係を重要視しているように見える。その意味でこの建物も景観を重視したコンセプトの実現には成功している。



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ステンレス鏡面の方立ては単にガラスファサードを支えるだけではこんなに大きな断面は必要としないだろう。たぶん土を乗せた屋根の重量を支える構造体にもなっているのだと思う。ステンレスの接合は、ガセットプレート表しでボルト止めされており、それの位置が方立てごとに違った位置にあることでリズムを生み出している。



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屋上の緑はガラス越しの天井裏の部分に土を入れて植栽している。Dsc01050



残念なのは、内部空間のチープさというか、内部に入った感覚は裏回りにいるような感覚になったことだ。外部空間があくまで主役で内部は裏らしいことがコンセプトなのだろうか?



そう感じる原因はよくわからない、材料なのか色彩なのか?



フランス国立図書館の地下の閲覧室ではそんな感覚にはならなかった。というかむしろその場所が主役になっていた。



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逆に建物に挟まれた外部空間は、高さと幅の関係がよく考えられており圧迫感もないし解放されすぎている感もない。



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非常に心地よい空間だっただけに、残念な気がする。



見学者は、韓国だけでなく日本からも多いのだろうか?案内板には日本語表記もあった。



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ここからは、ソウル観光編



成田空港で行きのKE706便 ボーイング747-400



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インチョン空港での帰り便KE705 ボーイング777-400



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ミョンドンで食べた王カルビ(かなり美味しかった)



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ミョンドンのスターバックスまがいの喫茶店で飲んだコーヒーフロート(もう少ししゃれた名前だった)



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ソウル中心街のオフィスビル



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どうしてこんな形態のなるのかまったく意味がわからない。でも、外装はペローがデザインした大阪富国生命でも行っている凹凸のあるカーテンウォール。





2011年7月6日水曜日

ヒューストン

ヒューストン テキサス州最大の都市。



訪れたのは20年以上前だが、ヒューストン空港からフリーウェーを走っているとき突然現れるダウンタウンのスカイラインを見た時の感動は忘れられない。



大げさに言うと砂漠の中に突然高層の摩天楼が現れる感じ。高層のプロポーションが半端じゃない。しかも、ダウンタウンの区画が綺麗に整理されているため一定の秩序が感じられた。googlemapで見ると綺麗に正方形に区画されている。



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車を運転していたので路肩に止めての撮影で近景の街路樹が入ってしまったけど雰囲気はわかると思う。



ダウンタウンの区画(googlemap)



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ところが、ここもストリートビューで同じ場所(?)から見るとかなり建物の数が増えて雰囲気が変わっていた。





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近くの別の場所から見たダウンタウン



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ヒューストンといえば、パサディナのジョンソン宇宙センター。



アポロ11の月着陸をライブで見た世代には、たまらない場所。(wiki画像)



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アポロを打ち上げたサターンロケット(上の写真で右下に見える)



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シャトルの訓練施設



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コントロールセンター 現在のシャトルのコントロールもここで行われている。



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