2010年11月24日水曜日

棚田

棚田は、近年になって観光資源として有益であるため、脚光を浴び各地で保存運動などが行われている。




平地の少ない日本や東南アジアでは、斜面を農業に有効に利用する為、段々状に土地を切り盛りして水平な面が作られ、水田として利用されてきた。その法面は小石を積み上げた石垣で作られるが、中世の城郭の石垣の様に綺麗に切った岩を使うのではなく、河原にある角の取れた丸い小石を使って積み上げられている。








土地の切り盛りと言っても、近年の宅地開発の様に地形を無視し無理矢理大きな平地を作るのではなく地形に合わせて有機的な形状に作られている。農作業の効率から言えば、大きな平地を作る方が良いが、土木技術が追いつかなかったのが幸いして今の様な美しい造形が生まれたと考えられる。




棚田は日本だけのものではなく、米作が行われている東南アジアに広く分布し、世界的に有名なところでは中国雲南省の棚田やフィリピンルソン島の棚田が有名である。雲南省の棚田はハニ族が作ってきたもので、総面積12万ha、標高差600mで5000段にも及ぶ広大な棚田が創られている。また標高が1400m以上の高地であり、天気によっては雲海の上に広がる棚田が見られることもある。




雲南省 元陽の棚田の航空写真 (googlemap 写真をダブルクリックすると拡大されます)




50m




四季がある日本の棚田は、規模は大きくないが季節によって棚田の表情は変化する。田圃という機能をもっているから季節によって田圃自体の表情も変化するし周辺も変化するため、自然と調和した造形美が生まれる。特に田植え時は、田圃に水が貼られ、水面での光の反射が非日常的景観をつくりだす。周囲を海に囲まれた日本では、棚田の場所によっては、海面を借景にしたダイナミックな景観も生まれる。有名な場所は、佐賀県の浜野浦がある。西側が海に面した斜面に造られた棚田は、見る場所によっては、海面と、水田があたかも連続している様に見える。








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同じ様な景観は、葛西の水族館のプールが東京湾と連続しプールの中の建築が海に浮かんで見える演出で見られる。








今回は、浜野浦の棚田をモデリングし、四季や時刻の変化をシミュレートしてみたい。




浜野浦の航空写真




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棚田の分布をデータ化したのが下記。これに高低差をつけてモデリングしていく。




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等高線




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等高線を立体化




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やり方は前回のマナローラと同じ方法だ。


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