建物の構成について分節と分割をテーマに以前書いたことがある。
大きな一つの空間を用途ごとに区切る方法が分割
完結した一つの空間をつなげて建物の形態とするのが分節
自然景観にも分割がある。水平線・陸と海などである。
ある自然景観を考えてみた。海岸沿いで陸と海は断崖になってる。
太古の昔に地殻の変動により断層が動き陸側が隆起した地形だ。
午前中
午後
この風景の中にも、水平線と崖という分割線が存在する。
ところで、方形(ほうぎょう)を分割するとどうなるか?
方向は南北軸と東西軸
先ほどの景観の中に置いてみる
海からの見え方
陸からの見え方
方形を南北と東西の軸にそって分割し、東西は水平線、直交する南北は断層のメタフ
正方形平面を南北軸で2分割し少しずらす、それをもう一度東西軸にそって分割し少しずらす。できた平面がこの建物の平面。
それぞれの空間のインテリアは空間ごとに変化を持たせた。
1.東面 小さな窓から少し自然光が入るエントランス吹き抜けと2階ギャラリー空間
2.北面 自然光の入らない人工照明だけのギャラリー空間
3.西面 海に面した大開口があり自然光があふれるラウンジ空間(午後)
(夕日)
4.また小さな開口から少し自然光が入る2層を回遊するギャラリー空間(イメージなし)
1→2→3→4と順路を設定し、光の変化も楽しめる仕掛けとした。
平面を軸で分割し形態に取り入れた建物としてはPennzoil Placeがある。
ヒューストンにあるフィリップジョンソン設計のオイルメジャーの本社ビル。
長方形の敷地ををある軸で分割しツインタワーとしている。
平面図を見るまでこの建物がどうしてこんな形態なのか理解できない。格好はいいが、使い勝手はよくなさそう。
今回の崖の上の家ももしクライアントが居れば受け入れられるかどうか疑問が残る
。もう少しこの部分について考察してみたい。
単純な方形の建物に比べコストはどうか?
使い勝手はよいのか?
などである。コスト比較は難しいので、外壁面積の比較や構造数量(柱の数や梁の数)を比較してみようと思う。
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