崖の上の家は、方形を二つの軸でずらした形だった。ずらした事で方形の時と建築物としてどう違うのか?を検証してみたくなった。
同じ面積(20m角)なのにたとえば外壁の面積はどうか?柱の数は?たぶん同じ面積の建物なのに、壁量や構造数量で建設コストは大きく変わってくるはずだ。
との思いから作ったモデルが下記だが、
中身がついてこない。いくらプランニングしても田の字プランになる。どうしても外観からくるシンメトリーから頭が離れない。で、思いっきり象徴的にしてみた。もはや数量検証のモデルではなくなってきている。
ここまでやって、別のアングルからみたモデルがこれだが、
この正面のイメージになんとなく見覚えがある。Déjà-vu というやつだ。何だろう?どう見てもお寺にしか見えない。“崖の上の家”で海に面した西面に大開口を創り西日の演出を考えたが、比較のために西面に作った大開口とお寺の形と西日が重なり、出てきた言葉が“西方浄土”、昔どこかで見たテレビ映像が浮かんでくるが思い出せない。
で、googleでいろいろ検索してやっと見つけた。
極楽山浄土寺浄土堂
兵庫県小野市にあるお寺。寺院建築にしては反りやムクリのない直線的な屋根、正方形平面をもつ、阿弥陀如来の仏像を安置するためのお堂だ。
記憶にあるのは、1987年にNHKで放映された “国宝の旅 浄土再現” という番組だった。
浄土堂は、阿弥陀如来、勢至菩薩、観音菩薩の3体を堂の中心に据えた仏像のための堂である。仏像の基礎が堂の床を貫通し建物の基礎と一体となり転倒を防いでいることからも、この仏像のために創られた堂であることは間違いない。しかも、光の演出が施され西方浄土を再現しているという。
是非その演出をCGで再現してみたくなった。
作ったモデルと写真を比べると柱割から違っている。
修正したモデルがこれ、
なんとなくそれらしいが、まったくイマージが違う。浄土堂は、東大寺南大門の構造と同じ大仏様という構造をもつ、建物自体が国宝の指定を受けている代物。しかしこの構造をモデリングするのはものすごい労力が必要。そもそも演出の対象である仏像のモデリングは、自分の力量では不可能に近い。
光の効果の再現という意味ではデフォルメもやむを得ないと思う。
それよりは敷地外の溜め池の位置や高さ関係、建物の方位、開口部の大きさ、屋根勾配などに注意をはらってもう少しブラッシュアップしていこうと思う。
浄土堂の断面と今回のモデルを重ね合わせた図。今回のモデルでは、光を反射する反射板としての機能を持つ化粧屋根裏が重要な演出要素になっているため小屋組や垂木を再現する必要がある。
以下 次回
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