2008年7月1日火曜日

文節と分割について

cube residenceという住宅をデザインしていて、空間に光を取り込むことしか考えずに造ったプロトタイプが下記のプレビューだが、自分なりの哲学の “光を認識させるためには闇が必要” が実践できていないように思う。もう少し考えをまとめる必要がある。



文節と分割の自分なりの定義は下記のとおり



分節・・・立体の構成で空間を創造する



分割・・・大きな空間を間仕切って空間を創造する



この二つの方法は、単にデザインの方法ではなく、空間を構成する構造と密接に関係している。



組石造から発展してきた西洋の建築は、基本的に壁がないと成り立たない構造形式で必然的に空間は分節されて作られる。これに反して、和風の軸組み工法は、柱と梁で構成され壁は構造的に必要がないため、大きな空間を必要な大きさに襖や障子で仕切っていく作り方を行う。もちろんすべてがそうではないが大きな傾向としてこの違いがあると思う。



組石造は壁自体が構造体であるため開口を作るのが難しい。逆に、和風の軸組みは非常に開放的な空間になりやすい。



結果、ないものねだりで西洋建築は光を欲し、和風は闇を欲する様になる。



したがって、西洋では光をデザインしたもの、和風では闇をデザインしたものが空間的によくできた建築になるのだと思う。



自分の好きな建築でいえば、光をデザインした建築としてコルビジュエの代表作 ロンシャン教会堂、また、闇をデザインしたものとしては、小堀遠州の孤蓬庵 忘筌茶室というところだろうか?



しばらく忘筌について考えていきたい。まずは忘筌をモデリングしてみることにする。



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