2010年4月6日火曜日

KIMBELL 照度についてⅡ

壁面照度について、前回と同じ条件で壁面の照度分布を作成してみた。



前回は平均照度での比較だったのでビジュアル化してみた。



Wallcomp



天井の形状はキャプションの通りである。シリンダー天井よりフラットのほうが壁面の照度は高いことがこの図からも分かる。(色が黄色に近いほど照度が高い)



前回の考察のとおりである。



キンベルについていろいろ考察してきたが、一応今回が最終としたい。まだまだ、カーンの言葉がこの建物に実現されていることをいろいろシミュレーションしたいが、モデルを組むことがなかなか大変で少し時間を置きたい。



2010年4月5日月曜日

KIMBELの照度シミュレーション

天井のボールトの形状をサイクロイド曲線、半円形、フラット、放物線にし、壁面と床面の照度を比較してみた。 時刻と場所は、2010年6月21日12:00pmのテキサス州フォートワースで設定した。



下表が結果である



Syodo_hikaku



表中色が付いている数字は太陽光での計算である。黒文字は参考で放物線の焦点にライン光源を置いた場合とフラットとの照度の違いを比較した数字である。



計算の条件は、ボールト天井以外は無反射の黒い壁と床で、トップライトから入る光線以外は光源がなく、周囲の壁や床の間接光もない状態で計算した。



サイクロイド天井



Cycroid_12



ボールト天井面がかなり均一に光っているが、これは真上から差し込んだ光が放物線状の反射板で反射されボールト面に均一に広がっている事によることは前回までのシミュレーションで解っている。



今回は、このサイクロイド形状で反射された光が床面や壁面に到達するときに美術館として何か工夫があるかどうかを調べることが目的だった。たとえば、床面はそんなに明るくなくても壁面は均一に明るさが保てるとか?



シリンダー天井の場合



Cilinder_12



フラット天井の場合



Flat_12



こうしてみると、フラットは天井の光り方が不均一でサイクロイドやシリンダーに比べて違和感はある。



肝心の照度については少し面白い結果になった。あまり大差はないが、シリンダーのほうが床面照度が高かった。天井が高い分床面は照度は落ちると思ったが、サイクロイド(172lx)シリンダー(201lx)だった。 逆に壁面の照度はサイクロイドのほうが高かった。(サイクロイド東側壁面141lx 西側壁面155lxシリンダー東側壁面103lx西側壁面138lx)



参考に行った人工光線のシミュレーションでも面白い結果が得られている。これは放物線の焦点に人工光を置いたシミュレーションだが、かなり床面がフラットの比べて明るいが壁面は逆になっている。





Hobutusenzinkou_yuka_2 放物線床面平均照度194lxFlat_zinkouyukaフラットの床面平均照度163lx



Hobutusenzinkou



放物線の焦点にライン上の人工照明を置いた場合の放物線の天井の光り方



(中央の黒いラインが下面に反射板を設けたライン照明)



結果を考察すると、放物線は焦点からでた光は平行光線となる事が知られているが、これを究極としてサイクロイドからシリンダー 放物線とだんだん縦長にボールトになればなるほど、床面が明るく壁面に光がいかなくなるけいこうがあるようだ。



美術館の場合は、展示品が壁に掛けられていることが多く、ここに光をあてるためには縦長の形状よりできるだけ扁平な形状が向いていることが分かる。



キンベルの場合、サイクロイドを採用した理由はあまり述べられていないが、単にあまり天井高さを高くせずヒューマンなスケールの空間を目指しただけではなく美術品への光の当り方も考慮された結果だったのではないだろうか? 



ここで行った照度計算はソフトまかせのブラックボックスでありアルゴリズムも一切わからない。また一方複雑な間接光を含めた計算であり手計算で無理ではある。結果が正確かどうかは検証しようがないため信じるほかないが、直観的には合ってるように思える。



2010年3月1日月曜日

キンベル美術館 外観

更新の時間が空いてしまったが、外観を2つ作成したのでアップします。



Exterior



Exterior_front1



水面と植物をいれたアングルです。



建築だけのモデルデータは割と軽くて、レンダリング時間も短いのですが、水面の反射や、植物をレンダリングすると途端に時間がかかってしまいます。で、コンピュータを接続し、複数のCPUでレンダリングしたら時間が短くなるかと実験していました。



やり始めるとなかなかうまく行かずエラーばかりです。原因は、



1.セキュリティソフトによる通信の遮断



2.OSの違い



3.ソフトの設定ミス



ですが一度にいろいろ変えてやったためにどれが真の原因かはわかりません。



最初の実験は



PhenomⅡ_x4_3.05GHz_Vista64bit_8GB RAM



Athlon64_x2_6000+(3.0GHz)_Vista32bit_4GB RAM



Athlon64_x2_5200+(2.6GHz)_XP32bit_4GB RAM



の3台の間で行いましたが、ソフトがフリーズし全く駄目でした。結局XP32bitをクリーンインストールし直して、セキュリティソフトを入れない状態で成功しました。



上の絵より簡単なものを用意して、時間を測ったところ



6000+一台でのレンダリング時間が7分台で、5200+と6000+の2台でレンダリングすると4分台に短縮されました。これは期待が持てるとPhenomⅡとの3台で行うと2分19秒になりました。



ところがPhenomⅡ一台でレンダリングしてみると2分38秒であまり差が出ません。結局CPUの性能が違いすぎてほとんどをPhenomが分担していることがわかります。



6000+と5200+で同世代のCPUの場合はメリットはありますが、CPUの違いが大きい場合は通信時間などでロスが出るためあまりメリットはなさそうです。



しかも、植物などのモデルをプラグインで挿入した場合は、同じシステム構成にしてプラグインのデータを同じディレクトリの配置すればできろみたいですが、結局うまくいきませんでした。



結局2週間ほど時間をかけて解ったのは、CPUの進化はびっくりするほど速いということです。



ちなみに、64bitOSと32bitOSではやはり少し64bitのほうが速かったですが、数パーセントの違いで、びっくりするような違いでは無かったです。





2010年1月22日金曜日

テストレンダリング

モデリングがなかなか進まない。単純な建物だと思って始めたが、デティールを作成し始めるとだんだん深みにはまっていく。



それでもここまでできた。おかしなところはいっぱいあるがとりあえず今のところまでアップする。



Test_exterior



Test4



Test5 





   



2010年1月20日水曜日

キンベル美術館 途中経過

モデリング途中だが、レンダリングしてみた。



前回の写真に比べて、中庭ができていないため奥が薄暗くなっている。エントランスは壁面のサッシュからの光で十分明るいが、奥(展示室)はトップライトだけでは薄暗い雰囲気になっていたのだろうか?



中庭の存在理由がよくわかる。



Test



2010年1月16日土曜日

キンベル美術館

少しずつやっていた35mmポジフィルムのデジタイズが少しできた。



記録を見ると1989年撮影になっているから20年以上たっている。



撮影したカメラは不明だがダラスに持っていったのは確かオリンパスのカプセルカメラだったように記憶している。距離計連動カメラにしてはまあまあ良く写っていると思う。フィルムはエクタクロームのASA64。



South_aproch



南側アプローチから見たところ



今、平行してこの敷地全体をモデリングしているが、かなり傾斜のある敷地に建っていることがこの写真でもわかる。裏の搬入口は1階レベルにあるが、エントランスは2階レベルになる。



North_east_elev



搬入口と通用口?がある北面と東面。搬入口のある駐車場は、荷捌のため1階レベルがトラックの荷台高さになるように、更に下げたレベルになっている。(のだと思う)



が、実際行った時の記憶ではそんなに段差がある敷地には思えなかった。さすがに処理がうまいなあと今更ながら思う。



South_aproch2



南からのアプローチキャノピー



Water



北側のアプローチキャノピーと前面の水盤



Entrance_door



エントランス



Cafe_to_entrance



エントランスホール内部。手前右にカフェテリアがある。手前左と奥が展示室。エントランス正面はミュージアムストアになっている。



Book_store



ミュージアムストアというよりブックストア。ここで“LIGHT IS THE THEME”という本を購入



Cafe_terria



カフェテリアと自然光が入る中庭



Entrance_porch



エントランスキャノピーが、壁面に落とす影。光から沈黙へ



Entrance_to_aproch



エントランスホールから前庭を見る。沈黙から光へ。



手前のオレンジの線はトップライトから、反射板をすり抜けた直射日光の筋



Top_light



トップライト見上げ(エントランス部分)



反射板を通して雲の移ろいが見える。



反射板には無数の穴が開けられていてすだれ効果で透けて見えるが、穴の密度は展示室とホールとでは変えられている。



Slit



分節されたボールとの隙間から見える外部。



Patio



カフェテリア前の中庭



Entrance_to_patio



エントランスホールから見た中庭。



“物質は光が燃え尽きたもの”というカーンの言葉がわかる気がする。



今回デジタイズに使用したのは、ニコンのクールスキャン3でヤフーオークションで購入したもの。安かったので買ったが、スカジー接続でパソコン側に接続端子がなくそのままではつながらず、インターフェースボードも更に購入。しかし、ボードがこれまた古くvista用のドライバーがないので、OSをxpにしたパソコンを用意してやっと接続できた。スキャン自体もすごく時間がかかるし、スキャンしたままのrawデータは現像処理の段階でデフォルト設定だとダイナミックレンジが低く使い物にならないので現像にまたまた時間がかかってしまった。一枚当たり1時間以上かかっていると思う。なかなか大変な作業だった。



画像の解像度はブログにアップするためかなり落としています。



2010年1月8日金曜日

放物線の焦点

焦点を作図した。方法は



Focus



この図のとおり、平行光線が焦点に集まるなら、光線が放物線に当たる点で、その接線に対して対称角度に反射するはずだから、反射した光線がY軸と交わる点が焦点になる。



では、Y軸に平行でない光線の場合はどうなるか?これも作図してみた。



Focus_hansya



赤い線は、Y軸と平行な光線、確かに焦点に集まっている。しかし軸をずらすと緑の線のように一点に集まることはなかった。が、赤も緑も拡散していることはわかる。



この広がった光線が天井面を照らすことになるはずだ。



3Dでモデリングしたサイクロイド曲線の天井に、反射板を取り付け朝6時、9時12時の時刻にどうなるかをシミュレートしてみた。壁・床は、反射がないように、艶のない黒で光はすべて吸収する設定としている。



20100621_0600



20100621_0900



20100621_1200



上から6時、9時、12時



かなり均一に天井が光っている様子が分かる。



自分でも間接照明の折り上げ天井を設計するが、こんなに奇麗に光ってくれることはなかなか無い。



(9時の絵で左側に一本光の筋があるが、これはトップライト部分のモデルが不完全で直射が天井に当たっているために光ってしまった。)



なぜサイクロイドか?の答えはまだ分からないが、放物線の反射板でサイクロイド全体に拡散され、均一に天井を光らせた光の行方が解決の鍵ではないだろうか?



そのため、床面照度と壁面照度を計算してみる必要がありそうだ。