2010年1月7日木曜日

サイクロイド曲線

キンベル美術館の天井(屋根)に使われているボールトの形状はサイクロイド曲線と呼ばれる緩和曲線である(緩和曲線とは曲率が徐々に変化する曲線の総称で、高速道路のインターチェンジの道路の曲率に使われているクロソイド曲線が有名)。



サイクロイド曲線は、直線上を円が回転する際に、円状の一点が描くカーブである。



式で表すと X,Yの座標は



X=r×(θ-sin(θ))、Y=r×(1-cos(θ)) シータは円の回転角で単位はラジアンで表される。



キンベル美術館のボールトの幅23フィート(7010mm)の場合の計算結果を下表に示す。



Cycloid_2



これをCADで作図してみた。



Cycroid_cad



赤いラインの下側が天井面である。



この結果を用いてモデリングに取り掛かる。



ところで、サイクロイド曲線は最速落下曲線とも言われている。上の図をひっくり返して180度分だけ使うと勾配がだんだん緩やかになる斜面になるが、この斜面を転がり落ちる場合が他のどの形状の斜面より速く落ちるそうで数学的に(物理的に証明されているらしい) 。



いろいろネットを調べてみたが、サイクロイド曲線と光の反射との関係はどこにもなかった。







2010年1月6日水曜日

キンベル美術館

やっとというか今更というか、ついにルイスカーンを扱うことにした。特にこの建物は、光をテーマにしており、いろんな人がいろんな論文でこの建物について書いている。建築論に関するもの、この建物の設計過程を調べたもの、ボールト天井の反射輝度の調査などありとあらゆる論文がある。



だが、ボールト天井がサイクロイド曲線で構成されていることは良く知られていても、なぜサイクロイド曲線なのかを書いた文章は見当たらない。



いろんな説があり、半円のボールトでは高さが高くなりすぎ空間も無駄だし、ヒューマンなスケールにならないとか、別の建物からのビスタを確保するために建物の高さを抑える必要があったからとかである。



確かにカーン自身が、“高さが高くないボールトは個人にとって適当なサイズでありホームにいるような安全な感覚になる”と答えている。(1973年10月23日のKERA-TV Dallasのインタビュー)



しかし、高さを抑えるためならほかにも解決方法はいくらでもあったはずで、なぜサイクロイドか?には答えていない。



工藤国雄のルイスカーン論では、構造の要請からサイクロイド曲線を採用したとなっている。工藤氏はカーンの事務所にもいたことがある人なのでたぶん構造の要請というのは本当なのだろう。しかし、サイクロイドを使えとは構造設計者は言わなかったはずである。ボールトの高さを抑えてほしいくらいのニュアンスだったのではないだろうか?このボールト天井は中央にトップライトのためのスリットがあり単純なアーチ構造みたいに自立しない。ボールト形状の現場打ちコンクリートにポストテンションをかけて成立させている。100フィート離れた両端にしかない7m(23フィート)スパン梁成が中央部で大きくなっていることからも構造的には相当大変なのだということが想像できる。だからと言ってサイクロイドでなければダメなのか?



この建物のテーマは光である。この建物の内部に入るとコーティングされた型枠で造られた艶のあるコンクリート打ち放しボールト天井全体が光って見える。



この光の演出とサイクロイド曲線は関係ないのであろうか?どこにもそのことに触れた文章は見当たらない。



ならば、シミュレーションで確かめてみることにする。



その前に、ここは20年ほど前に行ったことがある。たくさん写真をとったが、デジカメがない時代で全てポジフィルムである。



少し前フィルムスキャナの中古をネットオークションで買ったのでこれからポジフィルムを順次デジタイズして資料とする必要がある。



それと、サイクロイド曲線の方程式から座標を計算しボールトをモデリングする必要がある。



2009年12月20日日曜日

ホームページを更新しました

今までサボっていた、同じタイトルのホームページ “光と影” を、ブログの記事に合わせて更新しました。



ブログに時系列でいろんなテーマを書いていくと後で見返そうと思ってもどこに書いてあるかわからず困りました。



今回は、体系的にまとめて今までやってきたことが分かるように編集しなおしました。



大きくは、



建築・・・実在する建築について、CGでモデリングし、光との関係を考察しています。



バーチャル建築・・・実在しません。自分で勝手に設計した建物についての記事です。



都市・景観・・・写真が主ですが、都市スケールでの景観や光についての考察です。



よければ、見に来てください。



アドレスは



http://homepage2.nifty.com/nob_asai/



です。



これからは、原点に立ち戻り、製作過程などをこちらの記事とし、まとめはホームページで行うようにしたいと思います。





2009年11月13日金曜日

浄土寺の光の変化(アニメーション)

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今回は、前にモデリングした浄土堂の一日の光の変化をアニメーションにしてみました。
静止画ではわからない堂内の変化がよくわかります。簡単なアニメーションでこんなに感動的な出来事が起こるとは想像できませんでした。

シミュレートした日は2009年5月10日の朝3時から夜7時までです。

途中 朝9時から西面の蔀戸が開き始め午後1時に開き終わる設定にしています。開く時間が長すぎるかと思いますが、このくらい時間をかけて開かないとビデオ上では一瞬で開き終わってよく変化がわかりません。

西側の蔀戸が開き始めると第一段階の変化が起こります。それまでは東側正面の戸から差し込む天空光であまり演出効果のない光環境ですが、西側から光が差し込むことで浄土が再現され始めます。


ここでだれもが長源の演出は凄いと思うのですが、更に変化が起こります。夕方太陽が浄土堂の正面に来る時刻に堂内がオレンジ色に輝き、その色が仏像にも写りこんで圧巻です。まさにこれが浄土再現なのだと感動します。

簡単とは言え製作には24時間以上かかっています。個人でできるCGの限界を感じています。

アップしたファイルはWMV形式で3MB程度なので解像力があまり良くありませんがオリジナルはAVI形式で30MB程あります。かなり劣化していますがそれでも感動は伝わると思います。

ついでに、仏像も少しリファインしました。なんとなくそれらしく見えると思います。



2009年10月8日木曜日

円通寺 半日の光の変化(午前)

前回作成のモデルに時間の要素を加えました。



夜明けから正午までを6秒で表現しています。



薄暗い夜明け前から始まり、朝焼けや午前中の逆光の中での比叡山のシルエットを経て、天空光が満ち溢れ太陽光があたって山肌が緑に輝く正午近くへの変化を動画にしてみました。



写真ではわからない自然の光の移ろいが表現されていると思います。



フォーマットはWMVです。



下記リンクをクリックするとファイルがダウンロードできます。



「entsuzi_0003.wmv」をダウンロード



リンク切れてました。下記をご覧ください。



http://homepage2.nifty.com/nob_asai/entsuzi.html



2009年10月4日日曜日

円通寺

何度かの調整の結果下の絵まで持ってくることができた。



とりあえず今回はここまでとしたい。



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2009年10月2日金曜日

円通寺(途中)

比叡山の借景で有名なお寺 京都 岩倉の円通寺のシミュレーションモデル。



室町時代に後水尾天皇によって離宮として作られたが、現在は禅宗(臨済宗)のお寺になっている。



比叡山に対面する山の斜面を削って建っているが、あまり交通の便はよくない。



この交通の便が悪いために借景である比叡山との間に高い建物が建たずに借景が守られてきたのかもしれない。



しかし、2000年ごろから開発が始まり近辺も都市化が進んできたらしい。京都市が借景を守るために景観条例を作ったと聞いたが、現在どうなっているかわからない。



ここの景観はすばらしい。30年も前に行ったときの感動を鮮明に覚えている。垣根と杉の高木で切り取られた空間の真ん中に比叡山がすぐ近くに見える。というか、比叡山しか見えない。京都にいればどこからでも見える比叡山がここからは特別に違ったものに見える。



是非この景観を守りたいと思う。



Photo



資料が少なく、国土地理院のウォッ地図で比叡山との位置関係、USGSの高度データで比叡山の形、googlemapの航空写真から庭の位置関係を割り出した。



Photo_2



Entsuji02   



が、写真と比べると、樹木の位置や形はともかくとしてもかなり違うしまだまだ要素が足りない。たとえば庭石や垣根の奥の竹やぶや紅葉など。